汝窯は、北宋期の最初の官窯です。柴窯という“幻”の名窯を別にすると、名品中の名品を焼成したとされる窯で、実在の汝窯器はかつては世界に数十点しかないと信じられてきました。上の3点は、汝窯の卓越性を疑う余地なく実証する名品です。形と色彩をじっくりとご覧ください。なお、拡大してみるとはっきりわかるように、汝窯の釉には氷裂文と呼ばれる独特の無色の貫入が見られますが、右の1点にはそれが全くありません。