定窯は、唐代の名窯であったけい州窯が衰退した後に興った白磁中心の窯です。燃料に石炭を使っていたため、釉が象牙色を呈することで独特の雰囲気をかもし出しています。特に初期には、表面に単純な蓮弁文などを刻み込んだだけの装飾しか施しておらず、形を中心にした陶磁器といえるでしょう。それだけに、それぞれの器型はきわめて洗練されています。定窯には、他の窯には見られない、独特の形のものが多いようです。