乾隆頌詩款磁器は、清朝中頃の乾隆帝が全国から名品を集めさせ、自分の目に適ったものに、金泥などで頌詩を入れさせた特別の陶磁器です。かつては紫禁城宝物の中核を占めていたはずなのですが、いつのまにか散逸し、現代ではお膝元の故宮博物院はもとより、台北の故宮博物院にもほとんど残っていないようです。どれも名品で、同じものには頌詩を入れなかったようです。また、時代は北宋から明朝を経て、同時代の乾隆年製陶磁器にまで及んでいるそうです。当時の“現代製”のものまで、よいものはよいと正当に評価した乾隆帝の自信のほどがうかがえます。